イスキュス(古希: Ἴσχυς, Ischys) は、ギリシア神話の人物である。「強い男」の意。アルカディアー地方の王アルカスの子エラトスの子で、アイピュトス、キュレーン、ペレウス、ステュムパーロスと兄弟。しかし、元来はラピテース族のエラトスの子であったらしい。
神話によるとイスキュスはプレギュアースの娘コローニスと結婚したか、あるいは愛人関係を結んだ。しかし、コローニスはすでにアポローンの子アスクレーピオスを身ごもっていたため、イスキュスはコローニスとともに神に罰せられた。パウサニアースはイスキュスがアルテミスに射殺されたことをほのめかし、ヒュギーヌスはゼウスの雷に撃たれたと述べている。なお、アントーニーヌス・リーベラーリスではコローニスの愛人はアルキュオネウスとされている。
系図
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- パウサニアース『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年)
- ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照夫訳、講談社学術文庫(2005年)
- ピンダロス『祝勝歌集/断片選』内田次信訳、京都大学学術出版会(2001年)
- 『ヘシオドス 全作品』中務哲郎訳、京都大学学術出版会(2013年)
- カール・ケレーニイ『ギリシアの神話 神々の時代』植田兼義訳、中公文庫(1985年)
- カール・ケレーニイ『医神アスクレピオス』岡田素之訳、白水社(1997年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)




